スゴイ大豆(おおまめ)

コーヒーの生豆には、たまに「ずばぬけて大きな」ものがある。これらは俗に「エレファント・ビーン」("elephant bean"、象豆)と呼ばれている。


そもそも、コーヒーの生豆の大きさを決める要因はたくさんある。

樹そのものがどれだけ元気か、というのは非常に大きな要素だし、そこには土地や気象条件などが大きく影響する。また、同じ一本の木から取れるコーヒー豆のサイズにも、もともとばらつきがある。その木の平均サイズから見て、小さなものも大きなものも混じっているし、それらの「サイズの異なる豆の、それぞれの割合」、つまり「ばらつきの大きさ」だってまちまちだ*1


ただ、こういった要因で生じる「大きな豆」は、一般的なばらつきの範囲に収まる、いわば「大きめの豆」に過ぎない。これに対して、「エレファント・ビーン」は、一般的なばらつきの範囲を超えて*2明らかに大きいものを指す。


このような「エレファント・ビーン」は、二種類のものに大別できる。一つは交配異常に由来するもので、一般に「エレファント」の名はこちらを指すことが多い。もう一つは、品種自体の特徴として植物全体が大型化したマラゴジッペ (Maragogype) の生豆である。

*1:だからこそ、産地でサイズごとの等級分けも行われるわけなのだが。

*2:豆の大きさの分布で調べると、「普通」と「象豆」の中間的な大きさのものが非常に少なく、二峰性の分布になる。