2013-05-22から1日間の記事一覧

「カフワの原料」の伝来?

もしこの当時のイエメンで、実際にカートが利用されていたならば、その植物そのものがエチオピアから伝わっていたと考えた方がよさそうだ。現在のイエメンにおいて、カートの葉は摘んだ後すぐに消費される「生鮮食品」である。乾燥させると効力が減ってしま…

カフワの始まり?

アリー・イブン・ウマル・アッ=シャーズィリーの生涯についてはよく判っていない。ただ、その没年は1418年だとされている。18世紀後半にモカで彼の話を聞いたニーブールも「およそ400年前の人物」と記録しており、14世紀後半から15世紀初頭の人物だったと見…

「カフワ」とコーヒー

もう一つ、この時代で注意して区別する必要があるのは「カフワ qahwa」という言葉が指すものである。この「カフワ」という言葉が、コーヒーの語源になったという説は良く知られているが、この当時までに「カフワ」が指していたものとしては、次のように複数…

薬・嗜好品・飲み物

11世紀初頭のイエメンで、イブン・スィーナーの言う薬用としてのコーヒー「ブンカム」が存在していた可能性については、前(2013-2-20)にも述べた。しかしこの古い時代の「薬としての」利用方法と、15世紀以降のアラビア半島での「嗜好品として」、そして「…

イファトの末裔、ワラシュマ家の到来

1403年ないし1410年、エチオピアでソロモン朝との戦いに敗れたイファト・スルタン国ワラシュマ家の「最後のスルタン」、サーダッディーンII世が、逃亡先のゼイラで殺された。この時、彼の10人の子どもがイエメンに逃げ延びたと言われている。1415年、彼の長…

この時代のコーヒーの可能性

ユーカースが著した"All about coffee"の巻末にある年表( http://www.web-books.com/Classics/ON/B0/B701/42MB701.html )には、以下のような記載が見られる。 1454[L]―Sheik Gemaleddin, mufti of Aden, having discovered the virtues of the berry on a …

はじまりの物語 (9)

ここから、15世紀のイエメンでのコーヒーの歴史をちょっとずつ、ひもといていきます。 (15世紀以前) 9世紀- エチオピアで、キリスト教徒(アクスム王国)とイスラム教徒(アラブ商人)が内陸部に進出。西南部エチオピア人の奴隷取引が始まる 925 ペルシャの…