2013-02-20から1日間の記事一覧

この時代のコーヒーの可能性

イブン・スィーナー『医学典範』再考 以前(http://d.hatena.ne.jp/coffee_tambe/20130205#1360059618)9-13世紀のエチオピアの項で述べたように、10,11世紀のペルシアにおいて、アル・ラーズィーとイブン・スィーナーという二人のイスラム医学者が、その医…

ラスール朝時代

イエメン・アイユーブ朝の次に成立したのがラスール朝(1229-1454)である。ラスール家は元々、1180年*1にアッバース朝からイエメンに派遣された特使である、「ラスール」ことムハンマド・イブン・ハルンを父祖とする一族である。「ラスール Rasul」とは元々、…

エチオピア奴隷の王朝

上述したことをまとめると、ズィヤード朝の時代、下イエメン*1周辺には、 アッバース朝から来たズィヤード朝 下イエメンの先住部族(アック族、アシャーイル族、クライシュ族、マズヒジュ族など) 上イエメンのラシード朝 という3つの勢力が存在した。しかし…

独立イスラム王朝の成立

817年、ティハマ地方でアック族('Akk)とアシャーイル族(Asha'ir)という二大部族の反乱が起きた。この知らせを受けたアッバース朝のカリフ、マアムーンは、イブン・ズィヤード*1を将軍(アミール)に任命して派遣した。反乱が鎮圧された後、マアムーンは両部…

イスラム教の受容

575年、イエメンへのサーサーン朝ペルシアの介入によって、アクスム王国が撤退するとイエメンはサーサーン朝の占領下となった。サーサーン朝から派遣されたイエメン総督によって統治され、6世紀末には正式にサーサーン朝の自治州になった。7世紀初頭、ムハン…

はじまりの物語 (6)

#舞台をイエメンにうつして、6-14世紀頃の歴史。一応、ここ(http://d.hatena.ne.jp/coffee_tambe/20130122#1358867217)からの続き。 575年、サーサーン朝ペルシアがイエメンを支配 628年、サーサーン朝のイエメン総督バドハーンがイスラム教に改宗 632年、…