2010-05-14から1日間の記事一覧

紳士的コーヒー

このように、コーヒーが世界に広まり出した18世紀、その伝播のほとんどは「盗人」たちの非紳士的行為によって行われていた。が、たった一つだけ例外がある。フランスである。当時フランスは、唯一「合法的に」イエメンからコーヒーノキを持ち出すことに成功…

盗んだティピカが巡り出す

「盗んだ」というのはいかにも聞こえが悪いけれど、イエメンで持ち出しを禁じていたため、最初期のコーヒーノキの伝播はいずれも「種子や苗木をこっそり盗んで、こっそりと持ち出した」ものだった。今日的な観点から、あるいはイエメン側から見れば、ただの…

イエメン人は豆を煮た?

イエメンでは、このモカコーヒーが生み出す利益を独占するために、コーヒーノキの苗木や種子の持ち出しを禁止した、とされる。一説には、出荷するコーヒー豆まですべて熱湯で処理して芽が出ないようにしていた、とまことしやかにささやかれている。が、この…

出イエメン記

エチオピア南西部で生まれたコーヒーノキ「アラビカ」は、やがてイエメンに運ばれ、人々が愛飲する「コーヒー」の元として、人為的に栽培されるようになった。イスラム圏の人々から、やがてヨーロッパの人々までが消費することになり、イエメン(そしてエチ…