出イエメン記

エチオピア南西部で生まれたコーヒーノキ「アラビカ」は、やがてイエメンに運ばれ、人々が愛飲する「コーヒー」の元として、人為的に栽培されるようになった。イスラム圏の人々から、やがてヨーロッパの人々までが消費することになり、イエメン(そしてエチオピア)では高地でのコーヒー栽培と、港湾部でのコーヒー豆の輸出が、一つの産業として確立される……「モカ」の隆盛である。やがて、このコーヒーがイエメンを出て世界中に広まっていくのだが、その道は曲がりくねってるどころか、そもそも「一本道」でもない。