規制に対する考え

まぁぶっちゃけたことを言うと、コーヒー愛好家という立場からは「高用量カフェイン添加の飲食物」が乱立するのは「迷惑」というか……カフェインによる急性中毒の事例が増えたりして、実際に危険を招く可能性があるのみならず、カフェインそのものや、問題ないレベルのカフェインしか含まないコーヒーや茶に対する「風評被害」につながる可能性もあります。

そういう風潮から、ひいては「現実問題として実施が困難だし、ほとんど無意味」という現場の声を無視して、喫茶店で売るコーヒー豆や、そこで出すコーヒーにまでカフェイン量を表示しろ、なんていうバカげた規制につながらないとも言い切れないわけで、そういうのはできれば勘弁してもらいたい、というのが正直なところです*1


とはいえ、単に「高用量カフェインのものを作るヤツらが悪いんだ! コーヒーは全く悪くない!」なんていう子供じみた主張や、「やっぱり天然由来だったら安全よね」なんていう(脳内お花畑な方々に多い)主張を支持する気はありません。

健康な人でも「カフェインの摂りすぎ」には注意が必要だし、妊婦や小児など摂取には気を使うべき人がいるのも確かです。「コーヒーに含まれてる程度の量」でも飲み方次第では、(ぎりぎり含めて)ボーダーラインに引っかかるケースもありえますので。

実は、そこらへんの理解を「コーヒー屋さん」たちにも求める意味で、2005年に「コーヒー検定教本」に寄稿した文書では、タイプ別に場合分けした「飲み方の目安」を付記してました*2(ネット上では、http://sites.google.com/site/coffeetambe/coffeescience/medicalscience/coffeeandhealth/guideline で、部分修正したものを公開してます)。まぁそれでも、「普通の」コーヒーや茶を「普通の」飲み方で飲んでる限りにおいては、本人と周囲の人が、その本人にとっての「摂りすぎ」注意する程度*3で十分で、法的な規制までする必要性はないだろう、と思うわけです。


ただ、今後の流れ次第では、日本でも「カフェインを添加する飲食物」については、最終濃度もしくは添加量の上限規制や含有量表示の義務化など、ある意味「医薬品に準じた」規制が食品分野でも出てくる可能性はないとは言えません。

そのときになって、「元からカフェインを含むコーヒーや茶」などにまで規制が波及したり、あるいは短絡的な(量的な考えを無視した)「カフェイン有害説」が、世間で再燃することを危惧してる次第です。

*1:今から検査機関を作っておけば、ぼろ儲け&お偉方の天下り先確保、が出来るかもしれませんけどね w

*2:実は当時、世間の動きの5年くらい先を行くつもりで書いてたものなので、まぁ概ね「読み」は当たっていたというか、「想定内」だったりするわけですが w

*3:行政は、せいぜいパンフレットを作って啓蒙する程度。