オクラトキシン追記

↓下記は参考になるリンク
http://www.mac.or.jp/mail/080601/02.shtml名古屋市衛研、中島博士)
http://www.fsc.go.jp/senmon/kabi_shizen/食品安全委員会・かび毒自然毒等専門調査会)特に第6, 8, 11回の資料PDFが参考になる。


オクラトキシンAの耐容一日摂取量(TDI)は、動物実験から想定される危険量の500〜5000分の1として、3-17 ng/kg 体重/日と算定されています。現在、食品中の基準値としては、EUが食品ごとに設定した数値を設けており、インスタントコーヒーで10 ng/g、焙煎豆で5 ng/g。アメリカでは確か検討中で、日本では食品におけるカビ毒汚染の調査結果から、一般的な生活を送る限り、許容量を超えて摂取することはまず起こらないと考えられており、今のところ特に基準値は設けられてません。一方、今回のコーデックス委員会では、5 ng/gもしくは20 ng/gあたりの数値が検討されている模様です。


上記の名古屋市衛研での調査結果などにも示されているように、国内に出回っているコーヒーにおいて検出された濃度は、焙煎豆(0.11-0.92 ng/g)でも、インスタントコーヒー(0.12-4.23 ng/g)でも、それぞれのEU基準値の5分の1から200分の1という微量です。このことからも日本で流通しているものについては健康上の問題になることは、ほぼ考えなくてもよいだろう、ということになります。ただし、もしコーデックス委員会で「食品によらず一律 5 ng/g」というような基準が採択されると、国内のインスタントコーヒーについてはこの基準値を超えるものも出てくる可能性があるかもしれません。まぁ、基準値を超えたからと言って、即それが「危険だ」というわけではないのですけどね。


それからオクラトキシンAについては、別にコーヒーに限った話ではなく、ワインやビールなどでも問題になってます。全体としては、むしろ小麦などの穀類の方が汚染源としては重要です。またレーズンなんかでは時に高濃度に汚染されたものが検出されるようです。アフラトキシンの方では、過去にピーナッツの汚染などが大きな問題になりましたが、オクラトキシンAについても同様に、基本的には原料の保管状況が悪く、カビが発生したケースに問題になるものですので、別に普段飲んでいる「ふつうのコーヒー」が問題になるような話ではありません。