フレーバーコーヒーに行った

名古屋での学会の後、西尾まで足を伸ばし、前から一度行こうと思ってたフレーバーコーヒーに行ってきました。
http://www.flavorcoffee.co.jp


フレーバーコーヒーは、コーヒー業界では「知る人ぞ知る」なのかもしれないけど、少なくともインターネット上で活動してる「コーヒーマニア」業界じゃ知らなきゃモグリだろう、というくらいの存在感があるところです。


さまざまなユニークな抽出法や焙煎法について、自分で「実験」している……まぁそれだけならば、他にも似たようなところは多いのですが、その成果やそこから考える理論をネット上で公開しているところと、その考え方が科学的にも割としっかりしていて、理に適っている点が多い、というところが、そこいらの単なる「実験好きのコーヒー屋さん」とは違うところだと思ってます。


#実を言うと、最近のホームページの内容から、ちょっと「トンデモ系」の方向に向かってるんじゃなかろうかと、密かに心配してたのだけど、今回行って話をしてみると芯の部分はしっかりしてるというか、大丈夫そうだったので安心しました。


今回、事前に何の連絡もせずまったくの飛び込みだったにも関わらず、とてもフランクに応対してもらえました。松屋式抽出や、減圧装置を用いたユニークな抽出装置であるアポロの実物を見せてもらったり、過熱水蒸気焙煎について質問させてもらったり、あとこっちからは(実は10年くらいこっそり温めてて、2年くらい前から書き進めてる)コーヒー科学理論体系の一部を披露してみたり。「もう帰らないと…」と言っては、また話が盛り上がって…を2-3回繰り返した後で帰ってきました。正直、まだまだ後ろ髪引かれるところだったのだけど、ディープな(笑)コーヒー談義の時間を久々に過ごすことができました。


とりあえずいちばん痛感したのは、やっぱり「ドリップ回帰」というか、日本のドリップコーヒーの技術ってのをもう一度見直して、もっとアピールしなきゃ…それも世界に向けてやらなきゃ駄目だよな、ということ。別に「日本の技術バンザイ」みたいな安直な考えをしてるわけではないんだけど、このまま廃れさせるにはもったいない技術だし、何より、実はここまでマニアックにドリップの方法を追求してるところというのは、世界的に見ても類を見ない。さらに、この日本のドリップ法のノウハウを通してみると、他の抽出法−スティーピングやエスプレッソ−だけを見てる外国の研究者が見落としてる部分、というのがはっきりと見えてきたりもする。

なので、これは前々から何とかしたいなぁと思いつづけてることなんだけどね…。せめて石脇さんのところくらいの分析機器があれば、あとはアイデア次第で何とか形にできるんじゃないか、と何年か前から考えてはいるのだけど(あとまぁ、そこらへんを大手を振って実験できる立場にいるかどうか、というところも大きいのだけど)。ここらへんを何とかして「マトモな科学の俎上に載せる」…要するに、ホンモノの学術雑誌(もちろん国際誌)に科学論文という形で載せていきたい、という思いがあるんだけどねぇ。